ここ2、3年所団塊の世代の独立にまつわる相談、依頼が多いです。
理由はリストラや夢を諦められない、
第2の人生のスタートなど様々ではありますが、
20代で起業するベンチャー企業とはいささか趣が違うと思えます。
20代であれば、もしも失敗したとしても、
やり直しのチャンスは十分あるでしょうが、
この世代の人達にはもうそのチャンスは殆ど残されてはいません。
自分の息子ほどの歳の僕に頭を下げ教えを請うのだから、
並々ならぬ想いを持っての事ではあると思います。
自分の年齢や立場もそれなりに自覚しているのだから
まさに背水の陣のはずなのですが、
一様にビジョンと現実認識が甘いです。
営業畑を歩いてきた人の中には、
情熱、根性で営業は何とかなると思っている人が少なくありません。
バブルを一度経験してしまった世代で、
特に恩恵だけを受けたサラリーマンには、
未だにあの頃の栄華が頭をよぎる言動が見え隠れします。
地方や中小企業で特に変化の無い年功序列の中で培ってしまった
危機意識の無さは、そうは変えられないようです。
独立は別に悪い事ではありません。
しかし、安易に独立の道を選ぶのもいかがなものでしょう。
経営者というのは、なった人にしかわからない、
とてつもないプレッシャーと孤独な世界があります。
しかも、残念ながら年齢の壁もあります。
後20年全力で走り続ける事は出来ないだろうし、
若い世代であれば夢にかける想だけでも、
協力してくれる人はかなりの数いるでしょうが、
この世代の人には残念ながら限られてきます。
だからと言って悲観するものではないし否定するものでもありません。
若い世代には無い、
経験という大きな武器を持っています。
人脈という武器もあります。
そして高度な教育を受けた土台もあります。
甘えや、つまらないプライドを捨てれば、
ひょっとしたら化けるかもしれません。
景気や世界経済を語るよりも、もっと身近な足元を固めるのが先です。
是非、独立を志す団塊の世代には、もっと現実的な意識をもって
進んでいただきたいと思います。
そして、若い世代に一言。
今の日本を作り上げたのはこの世代とその前世代の人々です。
次の世代である我々は彼らの後姿を見て育っています。
若い世代はこのことにしっかりとした敬意は払ってもらいたいです。
否定するのは簡単です。
しかし、紛れも無く日本経済を支えていたのは彼らなのです。
その事は忘れないで下さい。
団塊の世代がまた息を吹き返そうと足掻います。
自分の存在理由をかけて
PR