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- 2008.06.11 ナラタージュ
- 2008.06.07 スモールトーク
- 2008.05.09 100万回の言い訳
- 2008.04.20 赤川次郎~若草色のポシェット~
- 2008.03.27 二十億光年の孤独
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この所ずっと女性作家の小説を読んでます。
今の気分的に優しい文体が心地良く感じるようで
キャラじゃないと言われそうですが・・・
世界観が広がるのを感じます。
で、ついつい夜更かししてしまったのが
島本理生の
ナラタージュ
この作家は1983年生まれ・・・まだ20代です^^
非常に若いのですが、文体が本当にしっかりしていて
登場人物の心理描写が絶妙です。
小説の中にもリズムというものがあって
この小説は
たわいの無い日常の誰でも経験しそうな世界観の中
微妙な関係を続ける教師と元教え子の心理にリズム感を感じます。
最初はゆっくりと静かなリズムを刻んでる二人が
急に動き出す。
激しいかと思えば、またゆっくりとしたリズムに
最後に大きな余韻
そんな所も感じながら読んで欲しいですね。
他愛も無い会話や、情景描写
学生の頃近くにいた同級生がリンクしてしまう
登場人物達
この小説は、はまると、かなり心に残ります。
所謂、青春恋愛小説ではあるのですが、
これだけ身近な感覚を持つと、その枠では収まらない気がします。
他の作品も読んでみたい作家です。
この本は断然カルピス
肌寒い日はホットでも良いかな
そして、夜1人で学生の頃の思い出と共に読んでみてください。
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昔の男が現れた。
場違いなほど美しく、いかがわしい車に乗って
小説の一文なのですが、どんな車を想像しますか?
小説の中では
TVRタスカンというイギリスのかなり、特徴的なフォルムを持った車でした。
西部警察スペシャルで人身事故を起こした車として昔話題になったことがあります。
小説の帯に書かれた冒頭の一節に惹かれた
糸山秋子の
スモールトーク
ジャガーやサーブ、アストンマーチン、アルファロメオなど
男が次々に乗ってくる車を
その関係の変化とともに女性の目線で描いているのですが
抽象的でなく、そのエンジン音や癖、車の持つ特徴を
的確に捉え、また、時にはチョット辛口に批評する
不思議な空気感をもった小説です。
男が描くと、硬い文体になりそうですが
そこは女性作家の妙
登場人物3人のそれぞれ微妙にこだわりのある価値観と関係性が
けして重く無く、絶妙の世界観を作っています。
主人公はクセのある女性ですが、こういう女性嫌いじゃないです^^
日曜日、街路樹の見えるオープンカフェで読みたい本です。
目の前には、少し濃い目のダージリン。
気分はレモンを添えて
唯川恵の
100万回の言い訳
特に突拍子も無い話ではなく
十分に共感できたり、そういう感情もあるよね
と語れる、肩肘の張らない作品です。
やっぱり女性の方が入り込めるのかなとは思いますが、
男性が読んでも、女性の心理の移り変わりなど
とても良く描けているので、夫婦やカップルなどで回し読みすると
良いですね。
その後のお互いの感想を聞くと
新たな発見があるかもしれないです^^
主人公の結子が38歳
その冒頭の言葉は共感できると言ってる女性が多かったですね。
唯川恵は米倉涼子と高岡早紀でドラマ化された
肩ごしの恋人
の作者でもあり、この作品で直木賞取ってます。
ドラマは見てないのですが
高岡早紀は、はまり役のような気がします
恋愛小説というよりも、目指す目標に向かって生きていく中で、
ふと恋人が関わってくるという作品で
対照的な二人の女性がとても魅力的に書かれてます。
萌は男から見ると、とてもめんどくさい女性
でも、そのうちそれが可愛く思えてしまい、はまってしまう^^
そうそう、
100万回の言い訳はロイヤルミルクティーと共に
茶葉はアッサムがいいかな
普通、ロイヤルミルクティーは、最初牛乳を一緒に鍋に入れて作りますが
この方法だと茶葉の香が十分開かないので、牛乳は後から加えるて下さい^^
肩ごしの恋人は、自宅で作れるカクテルだな
ジュースみたいに飲めちゃうけど、ほんのり酔ってしまう
でも少し苦味も欲しい
ディタオレンジなんか良いかも
赤川次郎の作品は本当に軽い
軽いといっても内容が薄っぺらい訳ではなくて、極限まで文章を削って
必要最低限な部分だけで構成されている気がします.
基本的に心理描写の部分、特に登場人物の心の揺らぎや葛藤の移り変わり、
場面の説明文章が非常に少ない作家です。
こういう文体を行間が広いと言うのかな。
読み手にこの辺りは任されているので、会話のネタにもなりますね^^
だから読みやすいし、ファンも多いのかなと思います
小説嫌い、本嫌いでも赤川次郎だけは読めるって人多いです。
ミステリー作家なんですが
僕にはストーリーテラーのように感じられます。
そんな赤川次郎にしかできないだろな、と思えるのが、
若草色のポシェットからはじまる杉原爽香シリーズ
シークェルという、主人公のその後を書いていくシリーズで
一年に一冊リアルタイムに年を重ねて物語が書かれています。
最初が主人公の杉原爽香15歳。今、35歳
20年間書かれているんです。
それも最初からこういう書き方をすると決めて書いてるんですから、出版社によほど信頼されてないと
って、そんな一面からも赤川次郎ってすごいなと思います。
明夫しょうがねーやつだなって、分かる人にはわかる感想ですけど
今はまってます^^
このシリーズは断然レモンスカッシュ片手に読んで欲しいです。
甘酸っぱさと炭酸の刺激が物語の雰囲気によくマッチします^^
詩人というのはどうして、こうも言葉と言うものを巧みに利用して
表現できるのだろうかと思います。
何億通りもある言葉の羅列に一つの世界と、旋律を共に融合させる様は
感嘆です。
ただ、原文がやっぱり良いです。
よく翻訳は原文の30%も、その良さを引き出す事は出来ない
と言われますが、ハイネなどの詩集を読むと
やはり日本語ではどこか滑稽に感じる部分ができてしまいます。
訳者によっても微妙な違いがありますから、やはりそこには訳者の感受性というのも
少なからず影響してしまっているのでしょう。
ただ、好きですけどね。ハイネ
足りない70%は自分で埋めるぐらい感受性を上げたいと思いますけど^^
まぁ前置きはこのぐらいにして
今回はそんな考えから日本人の詩集を手に取りました。
詩人 谷川俊太郎の
二十億光年の孤独です。
と言っても、1952年デビューですから60年近く前の作品が収録されてます。
この本が面白いのは草稿と英訳までついていることです
谷川俊太郎の肉筆から感じ取れる人柄というのも、詩に深みを与える気がします。
ちょっと疲れを感じているとき
感受性を高めたい時、詩ていうのも良いモンです。
そうそう、この詩には、なぜかコーラが合う気がします^^